
物腰柔らかなフロントマンが優しい笑顔で迎えてくれる。十条店のテクニカルアドバイザー河原井さんだ。そっと包んでくれるような表情が来店するお客さまに安心感を与える。
「小さい頃からボーイスカウトに入っていました。子どもたちが集まり、野外での活動やキャンプなどを通して学ぶものです。ボーイスカウトの基本的なスタンスに『自分以外の人への奉仕をする』というのがあります。誰かの役に立つ、誰かの力になるということを、いろんな活動を通して身に付けていくのです。その精神が今につながっているように思っています」
ボーイスカウトの制服で、元気に太陽の下に出る少年だった。「キャンプの仕方も身に付いていますよ」と言いながら、多くのことを学んだと語る。大人になってからも活動に関わるほど、ボーイスカウトへの思いは大きい。
「ボーイスカウトにはバッジを取得するというシステムがあります。何かを学び、できるようになるとバッジが与えられるので、子どもたちはそれを目標に頑張ります。そのときに、バッジの心構えのようなものを教えられるのです。『バッジはすごい自分を誇示するためにあるのではなく、自分がどんなことで誰かの役に立てるかを表すものだ』と。誰かに何かをしてあげられる自分になるために、勉強をするというのが染みついているのかもしれません。整備士の資格もそんな感覚で自然と取得していきました」
自分以外の人の「役に立つため」にここにいる。ボーイスカウトからの学びは、何十年と経った今に続いている。
四十路を意識する年齢になる頃、整備士をして17年目の河原井さんに、心境の変化が出てくる。
「整備が好きなので、クルマに触っていたいのですが、それだけでなくお客さまとの接点を増やしたいと思い、テクニカルアドバイザーになりました。いい整備をした後、お客さまに役立つことを伝えて、ここで整備をしてよかったと感じていただくというのは、大事な仕事だと思ったのです。経験の中で伝えられることの幅が広がりました。その自信がフロントでお客さまを迎えたい気持ちにつながったのかもしれません」
整備の機会はぐんと減ったとは言え、河原井さんは17年間整備士としてクルマに向かい、テクニカルアドバイザーになってから2年間はGT-R専門メカニックを兼務していた。クルマに関わる以上、クルマに触れて多くのことを知っていないと、と話す。
「やはりクルマを見ていないと、進歩に遅れていく感覚があります。実際に触れてみるからわかることも多いのが整備なので。そこは知識で補うためにも、資格を更新し続けています。また、新型車が出れば、私も乗ってその感覚を知るようにしています。運転した感覚や走り心地を自分の言葉で話せるようにしておきたいのです。お店にいる人はクルマについてどんなことも知っている、とお客さまは思ってお話しされますから。もちろん本当にそうであっていたいし、頼っていただきたいです」
その言葉を表すかのように、整備工場に向かうとストイックな表情になる。同じ店舗の整備士は、河原井さんの人柄を「完璧な人・厳しい人」と表現した。
どうしたら、お客さまに喜んでいただけるか。それはボーイスカウト時代からの根底にある誰かの力になりたいという河原井さんの基本だ。そんな河原井さんがお客さまと会うときに常に大切にしていること。それは誠実さだ。
「どんなときでも誠実でいたいと思っています。そして、心の通った対応をしたいと思っています。感情を交え、心を開いてお話しさせていただく。お客さまがクルマに乗る、その背景を大切にしたいです。
特に整備は、お客さまのご要望があって作業するもの以外に、おクルマにあわせて少し目をかけたり、調整したりすることが多くあります。整備士が気づいたことやさせていただいたことは、お客さまにきちんと伝えるようにしています。せっかくよくなった部分も知らないままにお帰りにならないように。整備としての必要だけでなく、安心も届けていると思います」
若手にはお客さまと直接話をして、その中からどのようにすれば喜んでいただけるのか見つけられるようになってほしい、と語る。電話やメールだけのコミュニケーションではなく、顔を合わせて話すことを大事にしている。
そんな河原井さんはタイヤについてよくアドバイスするという。それはクルマをよく知るからこそ伝えたい基本のき。
「少しだけタイヤを気にかけていると、クルマをよりいい状態で乗れます。どんなにいいエンジンで、いいブレーキでも、タイヤの状態で路面に伝わる性能が変わります。当たり前のようで、なかなか忘れがちなこと。せっかくの最新技術も、例えばタイヤの空気圧調整というちょっとしたメンテナンス不足で運転の具合が違ってくる。お客さまが気に入られたおクルマの性能を存分に使っていただけるように、役に立つ情報をお伝えしたいと思っています」
プロだけが気づくことにそっと手をかけてくれる。それは整備士からの愛情だろう。それを河原井さんの優しい声で届ける。なんだかラブレターを受け取ったようだ。河原井さんの確かな技術と誠実な応対で、そんな気持ちにさせられる。
お客さまの快適なカーライフのために、まごころ込めたサービスを目指しています。故障でのトラブルを未然に防ぐ『予防整備』も私たちの仕事です。私たちにおまかせください。ご来店お待ちしております。




