
仲村さんは日産テクニカルスタッフ1級を22歳の若さで取得した。制度変更により、今後も誰にも抜かれることのなくなった最年少記録だ。そんな記録を持つ彼の描いた未来とは
「常に仕事の幅を広げたいと思ってきました。初めは整備技術を高めようと資格の取得に精を出し、最年少記録を出したんです。更新されないこの記録は、私の誇りになっています。そして30歳を目前にしたときに、お客さまとの接点がほしいと、つなぎを脱ぐ決意をしました。
おそらく慣れている仕事の場にずっといた方が、居心地はいい。しかしどうしても、それだけでは前に進んでいないような気がして、フロントでの接客応対にステージを変えようと思ったんです。接客の経験がほとんどない一からのスタートで不安にかられましたが、それでも、自分が前に進んでいく姿を思い描いてチャレンジしてきました」

仲村さんのモットーは「楽しく働く」。これがいい仕事につながるという。フロントを経験した後、工場長としてサービス工場を任されることとなった彼はこの思いを部下たちに語った。
「仕事を楽しくしていないとだめだと思っています。特に、サービスはチームで動くもの。一人のお客さまにみんなで対応するものです。ですから、環境づくりは第一の優先事項でした。『楽しくやっていれば、なんとかなる』とよく言っていましたね。

これは単純に言うならば、“笑顔で仕事をする”ということなんですが、簡単そうでなかなか難しいものです。最近の若い人は真面目に、ずっと集中して仕事をしている。それはいいことでもあるのですが、たまにはふざけるぐらいに、コミュニケーションをとるのもとても大切なんです。仲間と常に声を掛け合いながら、いいチームをつくっていきたいと思っています。
みんなが笑うと、不思議と結果もいい方向に向かうんです。会話の中で、何気なくチェックができて、だれが何をしているのかわかるのでミスがなくなったり、チームワークにつながったり。それが広がっていくと、いつのまにか、ひとつのチームができている。
後輩から、『整備工場にいる時間が楽しかった』と聞いたときには、目指していたものができた気がしました」

整備士にはそれぞれの得意分野がある。クルマ好き=エンジンへの興味、というイメージもあるが、彼は電気を得意とする。クルマの前で、整備について聞くと、針式のテスターを見せてくれた。
「父が電気工事の仕事をしていて、子どもの頃から家で作業をしているのを見て育ちました。配線にもなじみがあったんです。整備の勉強を始めても、電気関係の修理だとすぐに理解できて自分でも驚きました。知らず知らずのうちに配線の感覚が身に付き、好きになっていたんですね。
このテスターは日産テクニカルスタッフ1級の試験を受けるために会社からもらったものです。今のテスターはデジタルがほとんどで、つなげば数値が表示されます。けれど針のアナログテスターは、針の振れ方を読むことで電圧の微妙な変化がわかる。電気を針で感じ取る感覚が好きで使っていますね」
現在、仲村さんは本部で教育を担当している。資格試験を受ける整備士の指導や、サービス技術大会の特訓をする。
「教えるというのは自分にとって、新しいステージです。今までの自分が努力してきたものとは別で、彼らが結果を出していく。資格取得でも、実際の仕事でも、私から彼らへの作用があることに責任を感じつつ、楽しむことを忘れないでいたいです」


新潟日産には、本部に2名のマスターテクニシャンがいます。店舗からの修理の相談や、資格取得のバックアップなどしっかりサポートしていきます。



