
電子診断機の接続機器を生み出したマスターテクニシャンがいる。そう聞きつけ、神奈川日産を訪れた。
「回路図とにらめっこしていたら、できたんです。製作期間は、部品を調べて取り寄せるのも入れて1週間くらいでしたよ」
サラっと話し出す佐山さんは34歳の若さでマスターテクニシャンの称号を獲得。彼が作ったのは、電子テスターとクルマを接続する機器。今まで、キースイッチを切らなければつなげられなかったテスターが、開発した機器によって、「切らずにつなげる」テスターになった。
「クルマに何か不具合が発生した場合、後でお客さまのお話からだけでその原因を探っていくのは難しく大変なことです。不具合が出ている『その場』で現象を把握するのが一番。しかし、せっかく不具合のある状態でクルマをもってきていただけても、キースイッチを切ったために不具合の現象が消えてしまったら申し訳ない。お客さまがお困りの今、クルマをもってきてくださった意味を常に考えています」
その気持ちが、新しい接続機器を生み出した。

佐山さんが生み出した電子診断機の接続機器。「これは、『たまに』活躍します。けれど、その『たまに』のときには絶対必要なものです」
そんな佐山さんだからこそ、とことんこだわるのは、「お困りごと」をいかに速く解決するかという「スピード」だ。
「スピードがあってこそ、いい整備だ――と、私は思っています。スピードと正確さ。それを確実に身に付けるためには、まず教科書が大事なんですよ」
それを確信したのは、入社2年目にチャレンジした技術大会への出場だった。
「全国技術大会の新人部門にエントリーさせてもらったのです。技術や知識を身に付けるための近道は、先輩のワザを見て盗むこと。けれど、つきっきりで見ているわけにはいきません。その点、教科書はいつでも開ける。肌身離さず持ち歩き、猛勉強をしました」
初めて出場した技術大会で佐山さんは優勝。それをスタートに、資格試験へのチャレンジが始まった。
「資格は、それを取ることが目的ではなく、取得に向けた過程で、知識がついていくことが役に立つんだ――ということを、実感したのです。だから、資格を取り続けました。そして、そのためには教科書にあるベースがきちんとできていないといけません。新しい技術が出れば、すぐに解説書に飛びつくのが、いつのまにか習性になりました」

そんな佐山さんが、仕事で喜びを感じる瞬間とは?
「何が不具合だったのかがわかった瞬間ですね。クルマの不具合を直すプロセスが、僕は好きなんです」
発見した不具合を早く正確に直せる整備士になることが、目指しているゴールではない。
「不具合の現象にだけ対処しても、直らないことがあります。故障した部品を交換しても、何度も同じ不具合が発生してしまう。それは、他に『真の原因』があるんです。私は現象にだけとらわれず、不具合を引き起こす『真の原因』をつかみたい。そこを改善できなければ、修理したことになりません。もし、『真の原因』がクルマにある場合は、『ここに問題がある』とクルマの構造自体の改善まで指摘できるメカニックになりたいですね。そのためには、まだまだ勉強しなければならないことがたくさんです」
負けず嫌いで、と話す佐山さんは、知識と経験を持って不具合ともとことん戦うメカニックなのだ。

お客さまの為に、日々勉強しています。
ご来店の際には是非声をかけてください!





